Analog Devices(ADI)の日本法人であるアナログ・デバイセズは、同社の単一インダクタマルチ出力(SIMO)パワー・マネジメントIC(PMIC)「MAX77643」が、ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)によるIoTおよびウェアラブル機器用の位置追跡システム向けの推奨品に認定されたことを発表した。

具体的には、SSSの高精度全地球衛星測位システム(GNSS)受信LSI「CXD5610GF」に給電するリファレンス電源となるという。MAX77643はウェハレベルパッケージ(WLP)、CXD5610GFはXFBGA-54ピンとともに小型で、これらを組み合わせると、周辺回路も含めて7mm×10mmの実装面積で位置測定システムを実現できるという。

  • 「CXD5610GF」

    みちびきのL1S信号(サブメータ級測位補強サービス)にも対応した小型GNSS測位チップ「CXD5610GF」(左)と、LFBGA品となる「CXD5610GG」(右) (出所:ソニーWebサイト)

また、MAX77643は93%のピーク効率を提供するほか、必要最低限の性能レベルで機器を動作させエネルギー消費量の最小化を可能にする動的電圧スケーリングを備えていることから、従来のディスクリートソリューションで構成した場合に比べて、消費電力を36%削減し、機器のバッテリ駆動時間を延長することを可能とするともしている。

  • MAX77643

    ADI(旧Maxim)のPMIC「MAX77642/77643」の機能ブロック図。77642と77643の違いは77643にはStep-Down Output/Step-Up Outputが搭載されている点

なお、CXD5610GFは2020年に発売され、現在はGPSウォッチ、カメラなどのバッテリ駆動のIoTおよびウェアラブル機器、ならびにセキュリティ、資産追跡、位置追跡およびヘルスケア製品用の位置追跡システムに採用されている。一方のMAX77643もADIのWebおよび正規販売代理店より提供されており、1000個以上の注文の際の単価は1.80ドルとなっている。