富士通とYE DIGITALは3月15日、独SAPが提供する「SAP ERP」のメインストリームメンテナンスが2027年に終息することに伴って、「SAP S/4HANA」へのコンバージョンを支援することを目的に、2022年3月10日に戦略的協業に合意したことを発表した。

今回の協業において、両社は互いの技術やノウハウなどの強みを持ち寄り、「SAP ERP」の現行ユーザーに対して「SAP S/4HANA」への移行を支援する。また、ユーザーの要望に合わせて業種固有の機能などを付加して提供することで、企業のビジネスを支える基盤を提供するとのことだ。

「SAP S/4HANA」への基幹システムの移行において、富士通は「BLUEFIELD」コンバージョンを活用した移行手法や、これまでの製造業やSAPビジネスで培ってきたプロジェクトノウハウ、PoC環境などを提供する。YE DIGITALは製造業の業務変革に必要となるコンサルティングノウハウ、SAP製品上のデータ移行におけるプロジェクトノウハウ、および技術支援を提供する予定だ。

また、「SAP S/4HANA」への移行時は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)といった最新技術を活用可能にする、SAPのデータ連携基盤「SAP BTP」を導入可能な体制を両社で構築するという。

さらに、両社が持つ「SAP BTP」関連の先進技術や開発ノウハウを活用してPoC支援などを包括的に行うほか、富士通の製造業向け個別受注生産ソリューション「Fujitsu Application for SAP Solutions Mass Customization」のテンプレートを両社で共有し、「SAP S/4HANA」に搭載されていない業種固有の付加機能を「SAP BTP」の環境上で構築して提供することで、「SAP S/4HANA」に依存しない柔軟性の高い環境も実現可能としている。