OSAROは、3月9日から12日まで東京ビッグサイトで開催されていた「2022国際ロボット展」で、ピッキングからバーコードスキャン、梱包までを自動で行う「自動梱包ソリューション」のデモを披露した。
OSAROは、ティーチレス/マスターレスでさまざまな商品のピッキングが可能なロボット用AIの開発で知られるスタートアップ。2015年創業で、米国サンフランシスコに本社を置いている。
3Dビジョンを用いたピッキングとは異なる、同社の独自のAI技術を用いた認識と制御の技術で、商品の事前登録が不要。従来ピッキングロボットが認識できなかった透明なボトルや反射物のピッキングも可能としている。
ちなみにOSAROは、強化学習のサイクルを示す「Observation」「State」「Action」「Reword」(またObservationに戻る)の頭文字からとられたそうだ。
2022国際ロボット展で披露されたのは「自動梱包ソリューション」。同社のAIを用いた混載ピッキングと自動梱包機を組み合わせたデモを見ることができた。
この自動梱包ソリューションは、2021年9月より海外で先行して販売されているという。
まず注目すべきは、混載された商品をピッキングする部分だ。さまざまな商材の「把持点」(ロボットがつかむ部分)をティーチレスで認識し、ピッキングすることができる。
この商材の多様さに驚くが、サイズ、素材、形状が異なった商品を事前登録不要でピッキングしていく。
混載された商品のさまざまなサイズや状況に対応すべく、ツールチェンジを自動で行うのもポイントだ。
そして、ピッキング時にバーコードの位置を認識し、バーコードを避けてピッキングを行う。
バーコードの読み取りが終わると、ロボットが自動梱包機に投入し、梱包が行われる。投入の際にも、同社のAI技術が用いられ、商品の向きやサイズを推定し、投入口に置くことができるのだという。
同社によると、1時間350個という速度で梱包が可能。多品種・混載を扱う工程の省人化に貢献できるとしている。
今回は袋詰めのデモであったが、梱包機を変えることで、段ボールや包み紙に置くなどの対応も可能で、今後日本国内で本格的に同ソリューションを展開していくとのことだ。
多品種・混載を扱う工程は、まだまだ人の作業が残っており、今後OSAROがどのように同ソリューションを展開していくのか、注目だ。