中国最大のファウンドリであるSMICが3月8日付けで香港証券取引所に提出した書類を同取引所が開示した。それによると、SMICの2022年1月および2月の累計売上高は前年同期比59.1%増の12億2000万ドル、純利益は同95%増の3億900万ドルとなったという。第1四半期の途中で規制当局へこのような書類を提出するのは異例なことである。

ちなみにSMICの2021年第4四半期の売上高は、前年同期比61.1%増の15億8000万ドルで、売上高、利益ともに過去最高を記録しているが、2022年第1四半期も好調が維持されていることがうかがえる。

米商務省は2020年12月18日、SMICをエンティティリストに追加登録し、10nm以下の微細プロセスでの製造に向けた半導体製品製造に対する輸出規制を行っている。また、最近もロシアのウクライナ侵攻を前提に、中国企業がロシアにハイテク機器などの輸出を継続する場合は、米国の技術やソフトウェアを用いて製造された半導体製造装置の全面的な輸出禁止などを行う可能性を米商務省のレモンド長官がSMICを名指しして警告している。そうした中、SMICは、米国の域外適用の貿易規則を守っていることを主張しつつ、過去最高となる好業績を維持している。

なおSMICは、総額188億ドルを投じて、北京市、上海市、深セン市の3か所に巨大な半導体ファブの建設を進めており、2025年までに売上高を倍増させるとしている。