富士通セミコンダクターメモリソリューション(FSM)は3月15日、12Mビットのメモリ容量を有するReRAM(Resistive Random AccessMemory)「MB85AS12MT」を開発し、3月よりサンプル提供を開始したことを発表した。
MB85AS12MTは、1.6V~3.6Vのワイドレンジ電源電圧で動作する12Mビットの不揮発性メモリ。
現在量産中の8Mビット品と同じWL-CSP(Wafer Level Chip Size Package)を採用し、同一パッケージサイズ、同一バンプ配置でありながらメモリ容量を1.5倍に拡張することに成功したといい、約2mm×3mmの小型パッケージに新聞紙で約90ページ分のテキストデータを記録できるとしている。
SPIインタフェースのメモリに使用される8ピンSOPと比較すると、WL-CSPでは実装面積を約80%削減することが可能だという。
また、ReRAMであることから、他の不揮発性メモリと比べると読み出し電流を少なくでき、10MHz動作時の最大読み出し電流は1.0mA、5MHz動作時における平均読み出し電流は0.15mAとしている。そのため、同製品を使用することで、初期設定データをメモリに書き込んだあと頻繁にデータを読み出すような電池駆動のアプリケーションで、電池の消耗を最小限に抑えることができるとしているほか、EEPROMやフラッシュメモリを用いて補聴器やスマートウォッチといった小型ウェアラブルデバイスなどの小型デバイス開発において、実装面積の制限や消費電力に課題がある場合でも、解決できる可能性があるとしている。