PFUは3月15日、同社の組み込みコンピュータの新シリーズとして、業務高信頼コンピュータ「GRシリーズ」をリリースし、その第1弾としてヘルスケア(医療の現場で活用される機器)向けに小型スリムタイプの「GR8100モデル300N」を発表した。

  • GR8100モデル300N

    「GR8100モデル300N」(横置き)の外観 (提供:PFU)

同シリーズは、産業用途で求められる信頼性や供給・保守に起因する課題に対応することを目的に、これまで組み込みコンピュータ「ARシリーズ」で培ってきた技術を活用し、24時間連続稼働、長期供給・長期保守を実現することを目的に開発されたもので、同社の組み込みコンピュータにおけるミドルレンジ製品という位置づけ。第1弾となるGR8100モデル300Nは、主にヘルスケア機器の中でも主に検査装置での活用を見据え、同装置分野で進む装置の小型化ニーズに対応することを目的に、87mm×320mm×300mm(縦置きの場合)という小型スリムサイズの筐体を採用しながらも、さまざまな用途に対応することを目的にPCI Expressを3スロット(ロープロファイル/ハーフレングスに対応)を備えたとする。

また、筐体の素材にはアルコール消毒液で拭き取りを行っても、表面の変色、変形がないステンレスを採用。標準では鏡面のように磨き上げられたステンレス素材ながら、カラーバリエーションとしてホワイト、シルバー(マット調)、ブラック(マット調)の3色も用意されており、搭載される機器に併せることもできるようになっているほか、EMC規格として、VCCI-Class Bに対応。これにより、ヘルスケア機器で求められるノイズ耐性を備えたともしている。

  • GR8100モデル300N

    カラーバリエーションとして、ホワイト、シルバー、ブラックも用意 (提供:PFU)

CPUは第9世代(Coffee Lake Refresh)のIntel Core i5-9500E、Core i3-9100E、第8世代(Coffee Lake)のCeleron G4900の3種類から選択可能。メモリは8GBもしくは16GB、ストレージは240GBもしくは480GBをそれぞれ2台搭載できる(RAID1構成も可能)。さらに、組み込み向けCPUに加え、24時間×5年間の連続稼働を実現することを目的に、連続稼働ストレージの採用、冷却ファンやアルミ電解コンデンサも長寿命部品を採用したほか、内部温度を抑える冷却設計も採用するなど、低い故障率を実現したとする。

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    ソフトウェアRAID対応モデルではホットスワップ機構も搭載 (提供:PFU)

加えて、販売開始から5年間の継続供給保証と、購入から5年間の製品保守期間も提供するほか、OSも長期供給が可能なWindows 10 IoT Enterprise 2019 LTSC 64bit版をサポートすることで、製品を長期にわたって安定して供給する体制も構築済みだとしている。

なお、同製品の出荷は2022年9月を予定。価格については個別見積もりとなるが、AR2000シリーズの同世代CPUを搭載したモデルと比べた場合、若干安くなる見通しだと同社では説明している。