IDC Japanは3月14日、次世代のネットワーク運用管理ソリューションの動向に関する調査結果を発表した。
この調査結果は、ネットワーク運用管理ソリューションに次世代化が求められる背景と満たすべき要件を論じ、代表的なネットワーク運用管理ソリューションの動向を分析したものだ。
IDCでは、企業ネットワーク運用管理の次世代化を形作る構成要素として「クラウド体験」「可観測性」「自動化」があると考えており、クラウドの身軽さや最新機能を容易に利用できる「クラウド体験」は、多くの企業がすでにITシステムやアプリケーションでクラウドを利用している現状において、企業ネットワークの運用管理にも求められているという。
また、在宅勤務が常態化しクラウドアプリケーションの活用が進む中で、LAN、WANのみならずデバイスからインターネット、クラウドに至る水平方向のエンドツーエンドでのフルスタックの「可観測性」実現も必要になっているという。さらに、自動的にネットワーク機器の設定変更を行い最適なネットワークを保ち、障害を自己修復するなど運用管理ソリューションとネットワーク機器がクローズドループを形成して実現する「自動化」も、ひとつの目指すべき方向であるとIDCでは考えている。
次世代ネットワーク運用管理ソリューションには、SDN(Software-Defined Network)や、Cisco Merakiに代表されるクラウド管理型ソリューション、そしてCisco ThousandEyes、ManageEngine OpManager、NetScout、SolarWinds Network Performance Monitorのようなネットワーク性能監視(NPM)/ネットワーク監視など異なるカテゴリーのソリューションが含まれ、得意とする領域や単体でカバーする要素は異なることから、他のソリューションと連携することも少なくない。こうしたことから、次世代ネットワーク運用管理の実現には、自社および他社のソリューションと連携しさまざまな角度から次世代化にアプローチするものであるとIDCは考えているという。
IDC Japanのグループディレクターである草野 賢一氏は、次のように述べている。「ネットワーク運用管理ソリューションベンダーは、次世代ネットワーク運用管理に不可欠な構成要素を補完し、強化するソリューションとの連携を進めるべきである。IT管理全体で求められるAI(Artificial Intelligence:人工知能)/ML(Machine Learning:機械学習)やクラウド管理型プラットフォームを共通化しておく方が、スケールメリットや学習速度を高めプラットフォーム自体の競争力強化につながるからである」