NTTドコモ(ドコモ)は3月11日、NTTコミュニケーションズ(NTTCom)、NTTネットワークサービスシステム研究所(NS研)、NTTネットワークイノベーションセンタ(NIC)と共同で、5Gネットワークスライスの自動運用を実現するE2EO(エンドツーエンドオーケストレーション技術)の実証実験に成功したと発表した。

  • 5GモバイルネットワークにおけるE2EOの役割

5Gネットワークスライスは、ネットワークを仮想的に分割し、利用用途に応じたネットワークを提供する技術だ。今回の実証実験は、1988年に設立された欧州の電気通信技術に関する標準化団体ETSI(欧州電気通信標準化機構)のワーキンググループの1つ、ZSM(Zero touch network and Service Management)の公認を受けたものとなる。

E2EOによって、5Gネットワークスライスの構築や監視、運用保守といったオペレーションの自動化を実現し、通信事業のDXや顧客への迅速なサービス提供が可能になるという。

実証実験では、実運用を想定したマルチベンダ環境において、無線基地局とコアネットワーク設備を接続するトランスポートネットワークやコアネットワークといった複数のドメインにまたがった5Gネットワークスライスの自動制御を実現した。

  • 実証実験の構成イメージ

具体的には、NTTCom、NS研、NICの技術を活用してE2EOおよびE2EOが制御する対象である5Gモバイルネットワークを実験環境上に構築し、実際の運用を想定した動作の1つとして、E2EOからの制御による5Gネットワークスライスの生成や削除の自動制御に成功した。

4社は今後の技術開発を通じて、さまざまなICTリソース制御の自動化を目指す。