半導体ファブに真空ポンプやガス除害装置を提供する大手付帯設備サプライヤEdwardsは、米国アリゾナ州チャンドラー市に最先端の製造工場を建設中であることを明らかにした。
投資額は明らかにしていないが、施設面積は、20万平方フィートで、約200人の新たな雇用が生まれるという。
同市では、Intelが既存のFab12、22、32、42に加えて、「Intel4(他社の4nmプロセス相当)」を用いて量産する予定のFab52と62を建設中であることに加え、TSMCが5nmプロセスを用いる予定のFab21を建設中である。Edwardsは、当面、これらの新工場からの需要に近距離で輸送コストを削減してこたえるとしている。
Edwardsによれば、現地生産とサービスで顧客をサポートするという長い伝統があり、チャンドラーの新施設への投資はその伝統を引き継いだものだという。しかし、それだけではなく全米で半導体製造強化の機運が盛り上がっていることから、同社は米国内で今後さらに大きな需要が生まれることを見込んでいるようである。
Edwardsのチャンドラーの新施設の建設はすでに開始しており、2022年第3四半期から稼働を開始する予定。高度な自動化およびスマートなデータソリューションを利用して、真空ポンプの分解、清掃、検査、修理、交換、および組み立てを行うという。水のリサイクルと再生可能エネルギーの使用に加えて、顧客との距離を縮めることによる輸送の削減を図り、より持続可能な製造業務に貢献するとしている。
チャンドラー市長は、「チャンドラーは多くの半導体サプライチェーンから多額の投資を集めており、Edwardsが多数の候補地の中から最終的に質の高い労働力、交通機関へのアクセスの良さ、生活の質などの観点からチャンドラーに投資することを決めた」と述べている。米国半導体企業、米国商務省、地方自治体は、海外の装置材料メーカーに対し、米国内でのサプライチェーン構築に向け、誘致を進めており、米商務省関係者によると、日本の装置材料メーカーにもすでに声をかけているという。