東京商工リサーチは3月11日、全国「IPO意向企業」動向調査の結果を発表した。全国の企業経営者などへの信用調査を通じ、IPO(新規株式公開)の予定や将来的な意向をヒアリングしたところ、全国で1,857社がIPOの意向があることがわかったという。

2021年の東証のIPOは136社(前年比33.3%増)で、2年連続で増加した。ただし、同年の上場廃止数は86社(同50.8%増)で、リーマン・ショック時の2008年(79社)を抜いており、コロナ禍などで市場の不透明さが増す中、東証市場は出入りの多い状況が続いている。

産業別では、サービス業他の576社(構成比31.0)で最も多く、これに、情報通信業の554社(同29.8%)、製造業の243社(同13.0%)と続ている。

産業別をさらに細かく分類した業種別では、情報サービス・制作業が最多の540社(構成比29.0%)と約3割を占め、システム開発やウェブ関連サービスなどのIT関連業が突出して多かったという。これに、学術研究、専門・技術サービス業の301社(同16.2%)が続いている。

最新決算から3期連続で比較が可能な1,422社の売上高を合算すると、最新期の売上高合計は8兆8,062億円(前期比59億円減、0.06%減)と微減だったとのこと。前々期から前期は3.6%増の伸びを示したが、増収から減収に転じたという。

損益別では、最新期は赤字企業の構成比が41.5%と4割を上回った。前々期の赤字企業の構成比は34.6%だったが、前期は38.3%に上昇し、最新期はさらに前期を3.2ポイント上回った。

  • IPO意向企業産業別 資料:東京商工リサーチ

  • IPO意向企業業種別(上位) 資料:東京商工リサーチ