サイトコアは3月10日、SaaSベースのマーケティングオートメーションツール「Sitecore Send」の提供開始を発表した。
「Sitecore Send」は、Moosendを買収したことで提供する製品で、企業向けのサポートを付加して提供する。同製品は、SitecoreコンポーザブルDXP(デジタルエクスペリエンスプラットフォーム)上で動作し、マイクロサービスとして利用でき、単体でも利用可能。
同製品は、パーソナライズのためのCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)の機能はなく、マーケティングオートメーション(MA)のメール配信に特化したツールとなっている。CDPとの連携機能があり、Salesforce CRMとは標準で連携する。価格は要問い合わせだが、メール購読者数によるライセンス(最低20万人から)で、メールの配信数に制限はないという。
サイトコア プリセールス シニアマネージャー 原水真一氏は、「メールを送るという点に特化することで、低コストを実現できる」と語った。
また、同氏は令和3年版情報通信白書のデータを示し、インターネットの利用目的は「電子メールの送受信」が最も多く、インターネットの利用目的については、「電子メールの送受信」が各年齢階層で高くなっているとした。また、ブランドからの連絡はメールで受け取りたいという消費者の割合は61%で、同氏は「電子メールは重要なチャネルで、企業は消費者とつながっていることで、ビジネスにつながる」と語った。
「Sitecore Send」は、マーケティングオートメーション、購読フォーム作成、Eコマース、エクスペリエンスデザイナー、エージェントの各機能を持つ。
マーケティングオートメーション機能では、メール配信やWebサイト、ランディングページへの誘導などのワークフローをドラッグ&ドロップで作成できる。ワークフローは標準で18のレシピ(シナリオテンプレート)が提供される。
また、ユーザーの特定、ページビュー、カートに入れたアイテム、オーダーの完了など、Webサイトと連携するためのトラッキング機能を実装できるJavaScriptのサンプルを標準で提供する。
購読フォームでは、ポップアップ、インライン、フローティングバー、フローティングボックス、フルスクリーンの5つのタイプの購読フォームを用意。タグにより、サイトに購読フォームを埋め込むことが可能で、エクスペリエンスデザイナーを使って、見たまま編集の環境を提供する。
Eコマース機能では、セグメントの構築、ターゲットを絞ったマーケティングキャンペーンの実施、コンタクトの追跡と管理を1つの場所で行うことができるという。キャンペーンメールでは、協調フィルタリングを起動し、類似ユーザーの反応に基づいて、ユーザーが好きそうなアイテムをフィルタリング可能だという。また、お気に入りの商品の再入荷時期を通知できるという。
エージェント機能があり、サイト全体で購入し、契約するテナントがサブアカウントを作成し、運用することも可能だという。
そのほか、レポートでは、配信数、開封率(ユニーク、合計)、クリックレート(ユニーク、合計)、購読解除率、地域別、デバイス(OS やブラウザなど)、モバイル、デスクトップの比率を取得することが可能。