米セールスフォース・ドットコム(salesforce)の日本法人であるセールスフォース・ジャパンは3月9日、企業の環境データを収集して分析し、報告を行うクラウドサービス「Net Zero Cloud」の国内提供を開始すると発表した。二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出量削減につなげ、企業のサステナビリティ経営の実現を支援する。
同サービスは、企業のネットゼロ(温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引きゼロにすること)の実現に向け、調達や経費精算、生産管理などのシステムから、温室効果ガスの排出量、再生可能エネルギー利用率、サプライチェーンにおける排出量などを算出する。経営層や投資家などのニーズに対応したデータとしてダッシュボードに可視化する。
データの集計や確認のプロセスを明確にすることで、カーボンアカウンティング(炭素会計または温室効果ガス会計)業務を支援し、ネットゼロへの目標達成までの道のりを最適化する。
米本社では自社向けに同サービスを活用したところ、排出量の算定にかかる工数を77%削減し、期間を6カ月から6週間に短縮できたという。この成果を受けて、米国では2019年から同サービスを展開している。
そしてsalesforceは2022年2月、同サービスをアップデートした。温室効果ガス排出量の予測分析ができるようになり、企業の排出削減目標への最短経路を特定するが可能になった。進捗管理や、サプライヤーの排出量を企業のサプライチェーン全体にわたって管理することが可能。また廃棄物のデータに関しても管理できる。
「カーボンアカウンティングは事業者自らの排出だけでなく、事業活動に関する排出量を合計しなければならない。サプライチェーン全体を自社の責任範囲とみなし、環境にどのように影響を及ぼしているのか特定する動きが世界中で加速している」と、セールスフォース・ジャパン サステナビリティ&コーポレートリレーション Net Zero Cloudプロダクトマネージャーの細谷優希氏は、カーボンアカウンティングに対する意見を述べた。
同サービスは1年に3回のバージョンアップがあり、今後、社内外の取り組みの底上げも行い外部連携を強化させていく方針。利用料金は年間576万円(税別)からとなっている。