Google Chromeチームは2022年3月7日(米国時間)、「Chromium Blog: A new speed milestone for Chrome」において、Mac版のGoogle Chrome 99でマイルストーンと言える高速化を実現したと伝えた。約1年半前のGoogle Chromeよりも43%高速化を実現し、その背景には、導入した新技術や改善が効果を上げていることがあると説明している。
比較に使われたMac、ベンチマークおよびWebブラウザは次のとおり。
項目 | 内容 |
---|---|
Chrome | 99.0.4812.0 --enable-features=CanvasOopRasterization --use-cmd-decoder=passthrough |
Safari | 15.2 17612.3.6.1.6 |
ベンチマーク | Speedometer 2.0 |
マシン | Apple M1 Max (10コア、32GPUコア、64GB) |
GoogleはMac向けChromeにおいて高速化された点として、次の項目を挙げている。
- 「Speedometer 2.0」ベンチマークにおいてスコア値「300」を達成。これは発表時点においてほかのどのWebブラウザよりも高速な値
- Safariの現在のビルドよりも7%高速
- グラフィックパフォーマンスがSafariよりも15%高速化
- 全体的に17ヶ月前よりも43%高速化
高速化に寄与したとされる技術や改善点は次のとおり。
- ThinLTOを有効化
- グラフィック最適化の実施(パススルーデコーダーおよびアウト・オブ・プロセス・ラスタライゼーション)
- 低いオーバーヘッドで効率のよいコードを生成できるV8用の新しいミッドティアJavaScriptコンパイラ「Sparkplug」の導入
- V8 JavaScriptエンジンが生成されたコードのデバイスメモリ内の配置を最適化するショートビルトインコールの導入
GoogleはAndroid版のChromeにおいても高速化の取り組みが進んでいることも伝えている。