長引くコロナ禍において市場の流れを見極めていくために、企業にはデータを活用したビジネス変革が求められている。こうした情勢を踏まえ、12月9~10日、「TECH+EXPO 2021 Winter forデータ活用~データが裏づける変革の礎」がオンラインにて開催された。その特別講演には、Mizkan Holdings 執行役員 CDO 兼 日本+アジア事業 CDO 兼 デジタルIT戦略本部チームリーダーの渡邉英右氏が登壇。「ミツカンにおけるデジタルトランスフォーメーション」と題し、ミツカンにおけるDXのさまざまな取り組みや、その経験を通じて得たDXを行う際の注意点について紹介した。
歴史ある企業が挑むDX – その推進体制は?
1804年、江戸時代後期に創業したミツカンは、食酢を中心とした調味料や加工食品の製造を主な事業としている。長い歴史を持つ同社では、企業理念を非常に大事にしており、「2つの原点」として次のように明文化されている。
1、買う身になって まごころこめて 良い品を 2、脚下照顧に基づく現状否認の実行
また、ミツカングループにおけるビジョン(スローガン)としては、「やがて、いのちに変わるもの。」を掲げており、こうした企業理念は同社のDX導入においても非常に重要なものとなっているという。
そんなミツカンにおけるデジタル・IT推進体制は、従来のIT領域をCIOが、データ・情報の活用と、人を中心としたコンタクトポイントのデザインについてはCDOがリードする体制だ。渡邉氏はCDOの領域を担っており、CIOと共に1つのチームとしてDX推進に取り組んでいる。