三菱重工業は、洋上風力発電所の建設ならびに運用・保守(O&M:Operation and Maintenance)を行う作業員を輸送する洋上風力発電所用交通船(CTV:Crew Transfer Vessel)向けに、ウォータージェット推進装置を開発したことを3月8日に発表した。
造船会社であるツネイシクラフト&ファシリティーズから受注した初号機は、風力発電所のO&Mなどを手掛けるCTV船主のイオスエンジニアリング&サービスへ納入される予定で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「風車運用・維持管理技術高度化研究開発」の一環としても活用される計画だとしている。
同社のウォータージェット推進装置は、装置本体にステンレスを採用することで高い強度と耐食性を備えており、特殊軸流型インペラの採用により、ウォータージェット推進装置では難しいとされる低船速域での高い推進力とコンパクト性を実現しているという。
加えて、今回のCTV向けウォータージェット推進装置には接舷支援システム、自動追従システムといった独自開発の自動操船支援装置が搭載されており、日本の厳しい潮流・波高の海象条件下でも、操船技量に関わらず安定した洋上風車へのアクセスが可能。
水中ロボットと連動した操船により、海中の風車設備点検作業の大幅な効率化も期待できるという。