帝国データバンクは3月7日、「DX推進に関する企業の意識調査」の結果を発表した。DXの意味を理解し、取り組んでいる企業は15.7%で、社長年齢が「39歳以下」の企業が最多であった。
「DXの意味を理解し、取り組んでいる」企業を社長年齢別にみると、最若年層である「39歳以下」が 20.1%でトップとなった一方で、社長が70歳以上の企業ではDXに取り組んでいる割合は12.2%で最も低かった。「人口が減少し人手不足も深刻化しているため、デジタル化など DXへの取り組みの必要性が増している。個人的にITやデジタルの活用はハードルが低く、30 代〜40代前半の知り合いの経営者もそうである」といった声があがるなど、デジタル化への抵抗が少ないことがDXへの取り組みの一つのきっかけである様子がうかがえ、39歳以下の社長は比較的デジタルに慣れ親しんでいる傾向にある。
創業・設立年数別にみると、スタートアップ企業を含む「5年未満」が 25.0%で最多となった。企業からは「チャットワークを活用したリモートワーク事業部をもっており、試験的に運用していて成果が出ている。システムをつくりたいアイデアはあるが、具現化に向けて課題がある」といった声があり、DX 実現に向けて前向きに取り組んでいる企業でも、課題は残っているとしている。
地域別では、「東京」「神奈川」「埼玉」「千葉」の1都3県が18.6%と最も高かった。「DXの意味を理解し、取り組みたいと思っている」企業(25.5%)とあわせて44%がDXに積極的で、なかでも東京のDXへの取り組み割合は22.3%にのぼった。「近畿」ではDXの取り組み割合は全国に近いものの、DXにこれから取り組みたいと思っている企業が29.1%と比較的高かった。一方で「東北」においてDXに積極的な企業は33.3%と最低であった。
業種別にみると、ソフト受託開発やパッケージソフトなど企業のDXを支援する業種が多い「情報サービス」が39.9%でトップとなった。DXに取りこみたいと思っている(25.7%)と合わせてDXに積極的な企業は65.5%であった。また、フィンテックの活用が活発になってきている「金融」はDXに積極的な企業が66.3%と多い。一方で、「繊維・繊維製品・服飾品製造」ではDXに積極的な企業は26.3%、「専門商品小売」では30.8%にとどまった。
企業からは「DX推進のメリットと推進しなかった場合のリスクが理解できていない」(繊維・繊維製品・服飾品製造)といった声が聞かれた一方で、「中小企業のため、費用面での採算を考えると踏み出せないが、出来ないと言っていてはますます出来ないので、優先順位を見極め出来ることから取り組んでいる」(繊維・繊維製品・服飾品製造)や「必要性は理解できるが、現状から改革すべき部分の工程、プロセス管理が出来ない」(専門商品小売)など、必要性は感じているものの課題があるといった意見もあった。