ガートナージャパン(Gartner)は3月7日、日本におけるテクノロジー人材の強化に関する展望を発表した。同社は2025年までに、日本企業のIT部門の管理職の70%は、クラウド、AI(人工知能)、アナリティクス関連の認定資格を積極的に取得するようになると予測した。
同社はすでにクラウドは当たり前のものとなっているとし、今後、AIも特殊なものではなく、表計算ソフトのように誰もが使うものになると予想している。その結果、2025年までに、日本企業の30%は、AIスキルの全社的な向上に着手し、現場の従業員が表計算ソフトのようにAIを使えるようになると同社は予測。AIを使いこなせる人や組織、企業は時代をリードする存在になるとのことだ。
Gartnerのアナリストである亦賀忠明氏は「クラウド、AI、アナリティクスへのスキルは一気に完璧なものを獲得することは難しく、これは、3年、5年、10年といった中長期的な取り組みになるため、それは、企業戦略として進めることが求められる。そうした戦略のもとで長期的に人材投資に取り組む企業と、そうでない企業では、2030年頃には、江戸時代と明治時代ほどの差が生まれることになる」と指摘している。
日本におけるIT人材不足は年々深刻化しており、同社は、少ないパイを奪いあう外からの人材確保だけではなく、テクノロジーを駆使してアクションを起こせる人材を戦略的に増やしていく必要があるとしている。
亦賀氏は、「クラウド、AI、アナリティクスなどを管理職が正しく理解していないことによる問題が深刻なものになりつつある。管理職が新しいテクノロジーを誤解し続ける、管理職に説明するのに相当な手間や時間がかかるといったさまざまな状況が多くの箇所で生じている。管理職も新たなテクノロジーに関するリテラシーが必須となってくる」とコメントしている。