台湾に本拠を置くシリコンウェハメーカーGlobalWafersの日本法人であるグローバルウェーハズ・ジャパンは、2022年2月28日に社内サーバーに不正アクセスを受けたことを確認し、ネットワークから社内システムを切り離す措置を実施。これに伴い、シリコンウェハの製造および出荷ができなくなっていることを3月2日に公表した。

同社によると、国内4拠点(新潟、関川、小国、徳山の各工場)すべての生産業務を2月28日から止めているという。現在、外部の専門機関も交え、経済産業省、警察にも相談をしながら、不正アクセスの影響範囲を特定し、対策を実施しているという。

不正アクセスの対象となったのは、製造に必須の生産管理などの内部機密情報を扱う社内のサーバーの模様で、これまでの調査では不正アクセスによる顧客情報の流出は確認されていないという。また、システムの安全性が確認されたところから順次復旧作業を進め、停止している製造、出荷の早期再開を目指しており、製造・出荷の再開日程については3月3日にも発表できるとしていたが、3月7日午前9時時点でWebサイト上での公表は行われていない。一部報道によると、ランサムウエアの疑いがある模様である。

なお、同社は、もともと東芝セラミックスのシリコンウェハ事業部門の子会社であった新潟東芝セラミックスが2010年にコバレントシリコンに社名変更し、その後、GlobalWafersに買収され、2013年にグローバルウェーハズ・ジャパンへと社名変更して現在に至っている。親会社のGlobalWafersは、シリコンウェハ業界では、売上高で信越半導体、SUMCOに次いで第3位にあたり、同社はグローバルウェーハズ・ジャパンとは別に、買収した米MEMC傘下のエム・イ―・エム・シーというシリコンウェハ製造会社を栃木県に所有している。