オンラインバックアップサービス企業のBackblazeは3月3日(米国時間)、「The SSD Edition: 2021 Drive Stats Review」において、同社としては初となるSSDに関する統計データを発表した。

同社はこれまで四半期・年次ごとにドライブ統計データとして主にハードディスクドライブ(HDD)に関する故障率データの発表を行ってきた。ユーザーの反応次第としているが、今後は年に2回のペースでSSDに関する故障率データに関しても発表する予定と説明している。

  • The SSD Edition: 2021 Drive Stats Review

    The SSD Edition: 2021 Drive Stats Review

注目される報告内容は次のとおり。

  • 年間故障率は1.0%以下が妥当であり、0.6%以下が好ましいと考えている。SSDの台数が十分でこの年間故障率内に収まっているのはSeagate ZA250CM10002のみ。Seagate ZA250CM10003も近いところまで迫っている。

  • 比較対象のSSDは2,220台であり、データとしては十分とは言い難い。今後もSSDの追加を行いデータの信頼性を高めていく。

  • 2021年におけるSSD 3モデルの累積年間故障率は1%を下回った。一方、HDDの全期間累積故障率は1.40%となっている。ただし、集計対象としているHDDとSSDはライフサイクルが異なることから、今後も双方の検証を続けていく。

  • レポートで集計されたSSDはBackblazeストレージサーバのブートドライブとして使われているもの。サービスが開始された当初はブートドライブにHDDが使われていたが、同社は2018年第4四半期からブートドライブにSSDを採用。それ以降、新しいストレージサーバのブートドライブおよび既存サーバの故障したブートドライブにはSSDが搭載されている。このストレージサーバはシステムの起動のみならず、ログファイルや一時ファイルの保存などが行われるほか、ストレージサーバ自体の活動に応じて毎日読み込み、書き込み、削除といった操作が行われている。統計対象となっているのはこうした用途で使われているSSD。

  • いくつかのSSDのデータは突拍子もない故障率を示している。2021年におけるCrucial CT250MX500SSD1の年間故障率は43.22%であり、Seagate ZA2000CM10002は28.82%とかなり高い。レポートには掲載していないが、他にも異常値を示したSSDが2モデル存在する(Samsung 850 EVO 1TBとHP SSD S700 250GB)。しかし、この故障率に関しては妥当とは言い難く、今後のデータ収集も含めて検討する必要がある。データの完全性という観点から掲載しているが、まだ判断できる段階ではない。

BackblazeからSSDのみに絞った故障率に関するデータが公開され、かつ、今後も同様のデータを報告していくと発表されたのは今回が初めて。同社は半年ごとにSSDに関する故障率データおよび分析データを公開するとしている。