名古屋大学(名大) 低温プラズマ科学研究センターは、プラズマ材料科学において、世界的に顕著な業績や貢献をした科学者を称える国際賞である「プラズマ材料科学殿堂表彰」の表彰者を決定したことを発表した。

プラズマ材料科学賞は、日本学術振興会プラズマ材料科学第153委員会の発足10年目を記念し平成9年度に創設されたもので、令和2年度からは名古屋大学低温プラズマ科学研究センターが授与機関となり、さらなる同分野の発展を目指し、プラズマ材料科学殿堂表彰が新たに創設されたという経緯がある。

今回が2回目の表彰となるプラズマ材料科学殿堂表彰の表彰者は2名で、1人目はプリンストン大学のDavid B. Graves教授。授賞理由は、半導体、ナノテクノロジー、生命科学など多くの分野での低温プラズマの基礎と応用に関する実験および理論の総合的研究は世界を先導した特筆すべき業績であると評価されるためとしている。2人目は、京都大学の橘邦英 名誉教授。授賞理由は、プラズマプロセスならびにその診断の分野における長年にわたる研究、および現在展開されているプラズマ医療・バイオ・農業の分野で不可欠となっているマイクロプラズマの概念の創成に関する研究は、世界を先導した特筆すべき業績であり、プラズマ材料関連の世界的なコミュニティに対する貢献も多大であったと評価されるためとしている。

また、今回の表彰者2名ならびにミシガン大学のMark J. Kushner教授による受賞記念講演が、3月6日から10日にかけてオンライン開催される国際会議「第14回先進プラズマ科学と窒化物及びナノ材料への応用に関する国際シンポジウム/第15回プラズマナノ科学技術国際会議(ISPlasma2022/IC-PLANTS2022)」にて開催されるという(3月6日9:00~)

このほか、名大 低温プラズマ科学研究センターでは、将来の産業と地球環境や持続可能な暮らしの鍵を握る先進プラズマプロセス科学を深化させるとともに、各分野との融合により、その未知数の可能性を探り、新しいプラズマプロセス技術の創製によって、新しい価値を創出し、産業を通じて人類の永続的発展に貢献することをめざし、また参加する個々のチカラを高め合うことを目的としたコンソーシアム「先進半導体プラズマプロセスコンソーシアム(CASPP)」を立ち上げ、個人個人が、気楽に、自由にプラズマを学べるモーニングサービスを毎月第2土曜日に実施しているという。

第6回目となる3月12日の講座は、「我が国の半導体・デジタル産業戦略について」と題し、経済産業省の西川和見氏が講演を行う予定で、半導体・デジタル産業を巡る政府の政策変更の背景を、デジタル、グリーン、経済安全保障の観点から、説明を行い、目指すべき方向性と今後の産学官が取り組むべきアクションプランについて紹介するとしている。

なお、同講座の受講には、コンソーシアムの入会規程に同意し、会員登録を行う必要があるという。