Oktaはこのほど、昨年11月に発表したAmazon Web Services(AWS)を利用して日本国内でデータを保管するサービス「Okta Infrastructure」の稼働に関する記者説明会をオンラインで開催した。説明会には米Okta 技術担当社長 兼 最高技術責任者(President, Technology and CTO)のサグニク・ナンディー(Sagnil Nandy)氏と、Okta Japan 代表取締役社長の渡邉崇氏が出席した。

  • 日本において「Okta Infrastructure」が稼働を開始した

    日本において「Okta Infrastructure」が稼働を開始した

グローバルで8拠点目の「Okta Infrastructure」

冒頭、ナンディー氏は「日本においてOkta Infrastructureが2022年2月22日に本格稼働を開始した。これにより、グローバルで稼働している同拠点は計8か所に拡充され、日本のユーザーが拡大していくことが見込まれている。新拠点は東京と大阪のAWSリージョンにまたがった形で構築されており、地理的に近い場所からアイデンティティ管理・認証基盤プラットフォームである『OKta Identity Cloud』のサービスを受けられることは大きなメリットになる」と述べた。

  • 米Okta 技術担当社長 兼 最高技術責任者(President, Technology and CTO)のサグニク・ナンディー(Sagnil Nandy)氏

    米Okta 技術担当社長 兼 最高技術責任者(President, Technology and CTO)のサグニク・ナンディー(Sagnil Nandy)氏

同氏によると、Okta Infrastructureは完全なマルチテナントかつ、クラウドネイティブなサービスであり、同社のユーザーは同一のインフラ上で同じバージョンのソフトウェアを稼働させている。マルチテナントは、分離された環境でもリソースを共有でき、すべてのユーザーにセキュリティ、プライバシー保護、サービスレベル、サポートを提供し、一貫性のあるセキュリティモデルを規模感を持ちながら展開することを可能としている。

また、テナントの切り分けを行い、データの機密性やプライバシー、分離を担保しており、セルベースモデルを採用することで特殊なデータ保護のルールや業界別、地域別の特定ルールがある場合でも環境を切り分けているため、相互の汚染、偶発的なアクセスなどを未然に防ぐことを可能としている。

一方で、オンプレミスやマネージドサービスは、さまざまなデプロイメントがあり、複数のバージョンが存在し、複数のソフトウェアを管理しなければならないことから、時間や管理コストを要することになる。

ナンディー氏は「当社のプラットフォームでは共有が合理的な部分のみ共有し、そうでない部分は分離しており、セキュリティ性が高くリスクは低い。グローバルにおける1万4000社の顧客ベースからインテリジェンスや厳格な基準を収集することで、当社のサービスが洗練され、改善しており、これを当社は“ネットワーク効果”と呼んでいる」と説明した。