島津製作所は3月3日、新開発の高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)「LCMS-2050」を世界に先駆け日本市場に向けて販売を開始したことを発表した。
同製品は、「使いやすさ」「基本性能の高さ」「コンパクトさ」が特徴のシングル四重極LC-MS。
同製品の開発の背景には、ユーザーからの「LC-MSには液体クロマトグラフ(LC)に比べて分析前に設定すべき項目が多い」や「高感度化と小型化を両立することが難しく装置が大きくて設置場所を確保しにくい」といった声があったという。
そういった課題解決のため、「LCMS-2050」は、経験の浅いユーザーでも使いやすいよう、ユーザビリティにおいて評価を得ている同社の分析ソフトウェア「LabSolutions」による制御を可能とし、LCと同様の操作性を実現。
また、真空排気系やイオン光学系といった部品設計を見直したことにより装置体積で従来比66%減という小型化に成功した。コンパクトなため、既設LCに後から増設する場合でも設置場所を選ばないとしている。
加えて、同社従来機の「LCMS-2020」と比べて起動時間を3倍以上の高速化となる6分での起動が可能で、消費電力も43%削減するなど、ランニングコスト削減に貢献するという。
なお、希望販売価格は1035万円(税別)からで2022年度の販売目標は200台としている。今後は海外販売も視野に入れているとのことだ。