IDC Japanが3月3日に発表した国内ITサービス市場予測によると、2021年の同市場は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響が一部で続いたものの、市場全体としては順調に回復しプラス成長に転換したという。2022年以降も堅調に推移し、2026年には6兆7410億円に拡大する見通しだ。
2021年の同市場は、リモートワークを前提とするITサービス事業者のビジネスプロセスが定着し、2020年にCOVID-19の影響を受けた商談やプロジェクト、サービスデリバリーの正常化が進んだことに加え、既存システムの刷新・更新やDX関連の需要がプロジェクトベース市場の成長を牽引したことで、2020年と比べて3.2%増の5兆8713億円となった。
2022年は、2021年に回復が遅れた分野の反動増が見込まれる。なお今回の予測から、データセンター(DC)サービスを含むHIS(ホスティング・インフラストラクチャ・サービス)にホールセール・コロケーションを含めている。
ホールセール・コロケーションは、クラウド事業者向けのハイパースケールDCの需要拡大を背景として、マネージドサービス市場の成長分野となっているとのこと。2021年から2026年の年間平均成長率(CAGR)は2.8%で推移すると同社は予測する。
ベンダーが収益性の改善を図るために売上の拡大は不可欠であり、サービス価格の見直しはそのための重要な施策となるとした上で、同社ITサービスのリサーチマネージャーである木村聡宏氏は、「ITサービス事業者は、サービス提供価値に見合った対価を訴求すべきであり、そのためにはCOVID-19以前から続く取引慣行や契約の在り方を見直すことが必要になる」と述べている。