MM総研(MMRI)は3月1日、2021年の国内PC出荷台数の調査結果を発表した。これによると、2021年の国内PC出荷台数は1322.1万台(2020年と比べて16.9%減)であり、同社が統計を開始した1995年以来過去最高だった2020年の1591万台から270万台近く減少したという。
メーカー別の出荷台数シェアでは、1位は2020年と同様NECレノボだったが、台数は388.3万台で対前年比29.5%減、シェアは29.4%で同5.2ポイント減と、いずれも減少した。2位も2020年と同じく日本HPだが、台数が203.5万台で同20.3%減、シェアが15.4%で同0.7ポイント減と、こちらも減少している。
3位は2020年の4位から順位を1つ上げた富士通クライアントコンピューティング(FCCL)だった。同社のGIGAスクール向け端末はタブレットが多くPC出荷は少なかったこともあり、特需反動の影響は比較的少なかったという。加えて、大手企業向けの出荷回復が順位アップの要因となったとMMRIは見ている。
上位メーカーの中ではアップルが唯一前年を上回り、シェアが5.0%となった。全体の2021年における出荷金額は1兆1150億円で2020年と比べて20.2%減となり、2021年1~3月期にGIGAスクール向けの出荷が集中したこともあり、台数を上回る減少率となった。
2021年4~6月期以降は、世界的な部品不足の影響を受け単価は少しずつ上昇しており、この傾向は少なくとも2022年前半も続くとMMRIは見ている。
2022年の出荷台数は、2021年と比べて14.4%減の1132.1万台とMMRIは見込んでいる。2021年に続く2年連続の減少となる見込みであり、GIGAスクール向け出荷がピークだった2021年1~3月期の反動で2022年1~3月期は大幅減が見込まれるものの、法人の買い替え需要は大企業中心に堅調といい、4~6月期以降に減少幅は縮小し市場は回復基調になるという。
MMRIの取締役研究部長である中村成希氏は、「2022年のPC市場は、2年連続の減少が見込まれるが、市場は底打ちし、回復トレンドに向かう1年となろう。しかし、コロナ禍(COVID-19)による部品の供給不足や価格高騰の影響に加え、ウクライナでの軍事衝突などサプライチェーンが不安定な状況が続くだろう。中期見通しとして2023年には1200万超、2024年はOS更新やGIGAスクールなどの入れ替えが始まり、1400~1500万台規模にPC市場が再成長することが見込まれるが、それに向けて安定した製品供給網の確立がメーカーに求められる」と述べている。