ルネサス エレクトロニクスとフィックスターズは3月2日、車載ディープラーニング分野で協業し、ディープラーニング性能を評価できるR-Car用クラウド評価環境「GENESIS for R-Car」の提供開始と、ソフトウェアと運用環境を開発するラボ「Automotive SW Platform Lab」を4月に設立することを発表した。
Automotive SW Platform Labでは、ディープラーニング向けソフトウェア開発と、学習したネットワークモデルを継続的にアップデートして認識精度および性能を維持、向上できる運用環境の構築に向け技術開発を行う予定だという。
また、協業の一環として3月2日より、R-Car用クラウド評価環境「GENESIS for R-Car」の提供を開始した。GENESIS for R-Carは、フィックスターズのクラウド上の半導体デバイス評価環境「GENESIS」をプラットフォームとして利用しているという。
これまで、デバイス選定においては、カタログスペックでの検討に加えて、実際のユースケースに基づいた評価が重要のため、ユーザは評価ボードと基本ソフトウェアを入手してデバイスの評価を行う必要があり、評価環境を構築するための技術スキルが必要だった
GENESIS for R-Carは専門的な技術スキルは必要なく、ResNetやMobileNetなど汎用的なCNNネットワークモデルを使用して、サンプル画像を「R-Car V3H」のCNN アクセラレータで処理し、実行時間と認識の精度を確認することができるという。
また、評価したいデバイスとネットワークを選択することにより、実際のボードをリモートで動作させて、画像分類や物体検出の評価結果を確認することができ、ユーザの任意の画像や動画データを使って評価することも可能だという。
これにより、ユーザはR-Car V3Hがユーザのシステムに適しているかどうかの初期評価を容易に行うことができ、将来的には、ユーザ独自のCNNネットワークモデルを使用した評価を行えるサービスの提供も視野に入れているとのことだ。