半導体市場動向調査会社である米IC Insightsによると、2021年のマイクロプロセッサ市場は、前年比14%増の1029億ドルとなり、過去最高値を更新したという。また、同社では2022年の市場についても、同7%増程度の1104億ドルと過去最高を更新するほか、出荷台数も同6%増の26億個程度と予測している。
2021年のマイクロプロセッサ市場の伸びをけん引したのは5G、高機能カメラ、人工知能(機械学習)などのトレンドを背景としたスマートフォン(スマホ)向けプロセッサで、当該製品の売上高は同31%増の350億ドルと大きな伸びを示したという。また、当該製品市場の2022年の見通しについては、同10%増の384億ドルほどとなると予想している。
加えて、スマホ向けプロセッサの平均販売価格は、最新世代向けを中心とした需給緊迫と、高性能なアクセラレータやGPU、5Gモデルなどの集積により、2021年は同22%増と引き上げられており、2022年も同4%増と上昇する見込みだともしている。
一方のPC向けCPU市場については、2020年に在宅勤務や在宅学習対応が進んだ結果、2021年は同4%増ほどに減速することとなったという。2022年についても同社は同4%増の505億ドルと、緩やかな成長を見込んでおり、市場規模としては過去最高を更新するとの見方を示している。
このほか、産業、通信、自動車、IoTといった幅広い最終用途システム向け組み込みマイクロプロセッサ市場については、2021年は同11%増となったとするほか、2022年も同9%増の約215億ドルとなると予測している。
なお、IC Insightsによるとマイクロプロセッサ市場は2021年から2026年にかけての年平均成長率(CAGR)は5.3%で、2026年には1333億ドルになると予測されるという。内訳としては、スマホ向けアプリケーションプロセッサ市場が、CAGR6.3%で2026年に474億ドルに達するとしているほか、PC向けCPU市場はCAGR3.7%で2026年に581億ドル、組み込みマイクロプロセッサ市場については、CAGR7.2%で、2026年に278億ドルに達すると予測している。