オカムラは、ハイブリッド型の物流自動化ソリューション「PROGRESS ONE(プログレスワン」におけるAIを搭載した自律ピッキングロボットおよび遠隔操作システムのプロトタイプを3月9日から12日にかけて開催される「2022国際ロボット展」で公開することを発表した。
PROGRESS ONEは、物流施設においてAI搭載ロボットと遠隔操作技術を組み合わせピッキング作業の自動化を実現するソリューションとして、同社が2022年1月24日に同ソリューションの事業化を進めることを発表していた。
今回プロトタイプとして公開される双腕ピッキングロボットは、吸着と多指ハンドを対象物に合わせて使い分けることができ、両腕を使うことで、蓋つきの箱など単腕のロボットでは難しい対象物をつかみ上げることが可能。アームは同社が開発し、遠隔操作をしやすい設計にしているという。
遠隔操作システムは、自律ピッキングから遠隔操作に切り替わる際のマッチング機能と遠隔操作機能を備えており、自律ピッキングができずに遠隔操作に切り替わる際、ロボットと待機中のオペレーターをマッチングし接続する。
これにより1人のオペレーターがさまざまな物流拠点に設置された不特定多数のロボットを遠隔操作することが可能で、マッチング後、オペレーターはAIの対象物認識を補助するために対象物をマウス操作で指示する「対象物指定モード」で操作するという。
「対象物指定モード」でピッキングできない場合は、ゲームコントローラーでアームを操作する「ゲームコントローラーモード」や、操作に適した形状の専用データグローブとジェスチャーを認識するカメラでアームを操作する「モーションキャプチャーモード」で遠隔操作ができるとしている。
ピッキング対象物の認識には同社が開発したAIを活用し、事前のデータ・商品登録が不要。
ロボットの自律ピッキングとオペーターによる遠隔操作の動作データはクラウド上のグローバル学習サーバーに集約され、継続的に機械学習を行い、各拠点のロボットにフィードバックすることでAIが認識できる対象物を拡充し、現場で使うほど作業効率が向上する仕組みになっているとのことだ。
PROGRESS ONEに活用するAI搭載のロボットと遠隔操作プラットフォームは、引き続き独自に開発を進めていき、さまざまな対象物に対応出来るロボットハンドや対象物検出技術、動作計画策定に関わるAIをはじめとする技術開発パートナー、実証実験パートナーとの連携を検討しているという。
なお、同ソリューションは、2022年度より物流現場での実証実験を実施し、2023年度以降のサービス提供開始を目指すとしている。
2022国際ロボット展は、東京ビッグサイトにて3月9日から3月12日にかけて開催され、3月1日から3月18日まではオンライン会場でも開催されている。