日本電信電話(NTT)、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、NTTドコモは3月1日、無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」において、無人運航に必要な機能(遠隔操船機能、陸上支援機能など、及びそれを支える衛星とモバイルのハイブリッド通信)を網羅した包括的なシステムを具備した無人運航船による、船舶が輻輳する海域(東京湾)での技術実証に成功したことを発表した。

  • 実証航路:東京港~津松坂港~東京港(約790km)

    実証航路:東京港~津松坂港~東京港(約790km)

NTTら3社がメンバーである、日本海洋科学を中心としたDFFAS(Designing the Future of Full Autonomous Ship)コンソーシアムでは、749型コンテナ船「すざく」を用いるとともに、無人での運航を陸上から支援するための陸上支援センター(千葉県幕張)を設置し、東京港(東京湾)から津松坂港(伊勢湾)までの往復距離約790kmの区間を、コンテナ船に搭載した無人運航船に必要な機能を網羅した包括的なシステムを用いて運航する実証実験を行った。

  • 陸上支援センター(千葉県千葉市)

    陸上支援センター(千葉県千葉市)

実証実験では、多種多様な国内30社以上がコンソーシアムを組み、他にも30社以上の企業・組織が参画して合計60社以上で構成する体制で開発を進め、無人運航船の社会実装をめざすプロジェクトとなった。

衛星とモバイル通信に対応したSDN技術を用いた通信システムを船舶と陸上に配置し、通信経路を衛星とモバイルのハイブリッド化することで、船上設備が通信経路を意識することなく、通信状況に応じて最適な経路を自動選択可能な仕組みを実装したという。今後は同実証実験で開発した技術の海事業界への導入・商用提供を目指すとしている。

  • 実証実験のイメージ

    実証実験のイメージ

各社の役割は、NTTが無人運航システム開発PJの共同研究・全体マネジメント、NTT ComがSDN技術を用いた衛星・モバイル通信のハイブリッド通信システムの開発、NTTドコモがLTE通信及び通信ゲートウェイ(回線品質計測機能含む)の開発。