ルネサス エレクトロニクスは3月1日、自社のハイエンドMPU「RZファミリ」に、従来のArmコアに加えて、新たにAndes Technology(アンデス)の64ビットRISC-V CPUコア「AX45MP」を搭載した「RZ/Five」を追加したことを発表した。
同製品は、最大動作周波数1GHzで駆動し、ギガビットイーサネット×2、USB2.0×2、CAN×2など各種インタフェースおよび、A/Dコンバータ×2を搭載するほか、外付けDDRメモリの誤り検出・訂正(ECC:Error Checking and Correction)機能とセキュリティ機能もサポートしており、同社では、IoTエッジデバイス向けに必要な性能と周辺機能を最適化したと説明している。
また、Armコアを搭載した「RZ/G2UL」と周辺機能およびパッケージに互換性を有しているため、相互移行を容易に行うことが可能で、同じ基板設計を利用して置き換えることもできるとしている。そのため評価環境として、従来RZ/Gシリーズ用に提供中のSMARC 2.1準拠モジュールRZ SMARC Evaluation Board Kitを、RZ/Five用にも提供する予定で、RZ/Five搭載CPUモジュールをRZ/G2UL搭載CPUモジュールと差し替えることで、評価の容易化や製品開発期間の短縮などを図ることを可能にするとしている。
さらに、RZ/Gシリーズと同様に、RZ/Five用にも、産業グレードLinuxであり10年以上の超長期メンテナンスをサポートするCivil Infrastructure Platform(CIP)Linuxをベースとした動作検証済みのVerified Linux Package(VLP)を提供予定としており、これにより、ユーザーは高い信頼性と長期使用が求められる社会インフラや産業用途にRZ/Fiveを使用できるようになるほか、将来のLinuxのメンテナンスコストを低減できるようになるともしている。
なお、同製品はすでにサンプル出荷を開始しており、2022年7月より量産を開始する予定としている。