ダイキン工業とスタートアップ企業のJDSCは3月1日、両社が共同開発する空調機の不具合監視・運転異常予兆検出AIとその試験運用効果を発表。ユーザーへの製品対応など業務改善に寄与するなど従来のPDCAサイクルを約1年以上短縮する効果を確認している。

  • 共同開発されたAIの概要(同社資料より)

    共同開発されたAIの概要(同社資料より)

市場製品におけるユーザーの声や発生不具合を集約し、新製品の開発など空調機器製造のPDCAサイクルに投影するダイキン工業は、スタートアップ企業JDSCと共同で過去の不具合と対応する製品データを学習したAIを開発し、2021年夏より業務に取り入れている。設計上考慮すべき可能性のある事象をアラートするなど、大量データの迅速な分析は、従来の製品対応・改善のPDCAサイクルと比較すると1年以上早くなるという。また、遠隔で運転異常の予兆検出を行うAIも構築しており、設置現場での確認などサポート業務の効率化も期待できる。

JDSCは、東京大学の複数の研究室と協力し、AI技術の各産業での実装を掲げるスタートアップ企業で、ダイキン工業ほか各事業社からの出資を受け、昨年12月に東京証券取引所マザーズに上場している。