企業向けソフトウェア開発を手掛けるアステリアは2月28日、企業、個人事業主、フリーランスなどを対象に、商談を支援するアプリケーション「Handbook X(ハンドブック エックス)」の販売を開始すると発表した。
同アプリは、商材の写真や商品カタログのPDF、説明動画、Webページなど商談に必要な販促コンテンツの登録から閲覧、共有までをアプリ上にてワンストップで完結できる。「商談中にPDFや動画などを提示する際に専用アプリの切り替えに時間を浪費する」「見せたい販促コンテンツをすぐに呼び出すことができない」といったことを解決する。
具体的には、「ブック」と呼ばれるフォルダをデバイス上に作成し、その中に各種アプリケーションからファイルを格納していく。作成した「ブック」はモバイル端末にローカル保存され、オフラインの対面営業でもオンライン会議でも、いつでもアクセスすることが可能。またURLを貼り付けるだけで、YouTubeやWebサイトなどの外部コンテンツへ専用アプリに都度切り替えることなくアクセスできる。
同日開催された記者会見で、アステリア代表取締役の平野洋一郎氏は、「これからの組織や社会では『つなぐ』必要性が増している。インターネットをベースにしたこれからの社会は、必要なときにつながり、必要ないときは切れるような自律・分散・協調型の社会になる。中小企業や副業、フリーランス、個人事業の方々を支援するため商談に焦点を当てた」と開発の背景を語った。
また、モバイル市場がコロナ禍でも成長していることも、Handbook X開発の背景にあると平野氏は説明。MM総研の調査によると、2020年度のスマートフォンの国内出荷台数は3,511万台(前年比12.3%増)で、タブレットに関しては教育ICTの動きも後押しして、1,152万台(62.9%増)と初めて1000万台を超えた。
モバイル利用率の伸びも著しい。2012年に30.5%だったスマートフォンの利用率は、2020年には95.2%と、ほとんどの人が利用している。タブレットに関しても同年の利用率は43.9%と、およそ半数の人が利用しており、スマートフォン、タブレットともに右肩上がりで成長を続けている。
「社会や組織が自律型になるために必要なのは、インターネットだけではなくモバイルの活用が重要だ。一人ひとりの新しい働き方を実現するために、われわれはモバイルを使って新たな社会インフラを支援していく」(平野氏)
「Handbook X」の対応OSは、iOS(14以降)、iPadOS(14以降)、Mac OS(11.6以降)、Android(11以降)で、Windows版は今年度第1四半期に出荷する予定。無償版を含む全7プランを用意しており、有償プランの月額利用料金(税別)は300円~15,800円。保存データ容量や「ブック」共有可能数、コンテンツ共有が可能なユーザーグループ数に応じて価格が変動する。同社は初年度となる2022年度末までに10,000ユーザーの獲得を目指す。