台TrendForceによると、2月14日以降、新型コロナウィルス感染症の拡大から、段階的なシャットダウン入っていた台UMCの中国の200mmウェハファブであるHejian Technology(HJTC:UMCでの呼称はFab 8N)が、同24日から徐々に操業を再開した模様であるという。
半導体製造装置の再調整に5〜7日ほどかかるため、工場全体の稼働率の回復は3月上旬になる見込みで、ウェハ投入機会損失の期間は14〜20日ほどとなる。
HJTCは、200mmウェハ専用のファブ(0.11~0.5μmプロセス、月産5万枚)で、その生産能力はUMCの総200mmウェハ能力の約25%、世界の200mmウェハ生産能力の約3%を占めるとされている。今回の事故は不測の事故ではなかったため、段階的シャットダウン時の稼働率は約25〜30%に維持され、生産ラインのウェハ廃棄は無かったという。
稼働率を低下させた際の生産ラインにおける顧客製品の割合は、HJTC最大顧客であるSilergyがエアコンや冷蔵庫などの家電および工業製品向けPMICの生産ラインの40%を占めていたほか、ほかのPMICの顧客として約35%を占めるMediaTekとGMT、SinoWealthとNovatekがそれぞれ、マイコンと大型ディスプレイドライバICの生産ラインの13%を占めていたとする。
HJTCに割り当てられていたほとんどの製品は、台湾のUMCファブまたは他のファブでも同時に生産されているほか、スマートフォン、テレビ、ノートPCなどはいずれもオフシーズンであることから、市場への影響は少ないという。また、HJTCのシャットダウン期間は予想よりも長かったものの、仕掛り中のウェハは廃棄されておらず、一部のPMICのサイクルタイムは短いため、ウェハの投入損失は生産再開によって軽減される可能性が高く、出荷への影響は限定的であるとTrendForceは考えている。さらに売り上げについても、200mmウェハの販売価格が比較的安いため、この事件がUMCの年間売上高に与える影響は0.3%の範囲内に収まりそうだとTrendForceは見ている。