韓LGグループで、イメージセンサカメラモジュールや電子部材を手掛けるLG Innotekが、2月22日に取締役会を開き、Flip Chip-Ball Grid Array(FC-BGA)の製造ラインおよび製造装置に向け、4130億ウォン(約400億円)を投じることを決議したと複数の韓国メディアが報じている。

FC-BGAは高機能向けパッケージに分類され、LSIの高速化、多機能化ニーズに対応するもの。同社は、今回の投資を皮切りに、今後、段階的に半導体パッケージに対する投資を拡大していく計画だという。

すでに同社はFC-BGAの将来性を見据えて2021年12月、FC-BGA事業担当・開発担当などの選任役員を選任し、新たに組織を設けて準備するなど、FC-BGA市場の攻略を進めている。また、すでにFC-BGAと製造工程が類似している無線周波数システムインパッケージ(RF-SiP)用基板、5Gmm波アンテナパッケージ(AiP)用基板などの通信用半導体基板、高性能モバイルアプリケーションプロセッサ(AP)向けフリップチップ・チップススケールパッケージ(FC-CSP)基板などの製造を行っており、これにFC-BGA基板が加わることとなる。

FC-BGAは、イビデン、新光電機、Samsung Electro-Mechanics(サムスン電機)、台Unimicronなどがすでに量産しており、CPUとGPUのコア増加で基板のサイズが大きくなり、FC-BGAに対する需要が増え、供給不足が予想されていることから、そうした動きにLG Innotekが目を付けたようだ。

なお、Samsung Electro-Mechanicsは、ベトナムの既存工場に8億5000万ドル(約980億円)を投じて2023年後半からFC-BGA基板の量産を加速させる計画を掲げている。