米Veeam Softwareは2月22日(現地時間)、グローバル企業におけるIT施策の責任を持つ決定権者3000人以上を対象にした調査結果を取りまとめた「データプロテクションレポート2022」を発表した。これによると、89%の企業がデータを十分に保護できていないと回答し、ビジネスの成長とIT部門の提供能力との乖離が深刻になっているという。
同調査は、2021年10月から12月にかけてITの意思決定者とITプロフェッショナルを対象として実施したもので、28の国から参加があり、回答者のほぼ全員が従業員数1000人以上の組織に所属している。なお、アジア太平洋地域からの参加者は785人だった。
IT部門の意思決定者のうち88%は、ビジネスの成功におけるデータの重要性が高くなると同時に、その保護に関する課題が複雑化するにつれ、データ保護予算が他のIT支出よりも高い割合で増加すると予想している。
さらに、3分の2以上が重要なデータを保護するためにクラウドベースのサービスを利用していると回答した。データ保護に関して、89%の企業が、自社のデータ保護能力は会社が要求する水準まで追い付いておらず、システム停止により失う可能性のあるデータ量とバックアップの頻度との間にギャップがあると回答しており、前年の調査と比べて13ポイント増加した。
また、76%の企業が過去12か月間に少なくとも1回のランサムウェア攻撃を受けており、2 年連続でサイバー攻撃がダウンタイムの最大の原因となっている。さらに、攻撃を1回受けた場合に企業は失われたデータの36%を復旧できなかったという。
このことから同社は、現在のデータ保護戦略がランサムウェア攻撃の防止、修復および復元に役立てられていないと見ている。データ保護能力と増大するリスクとのギャップを埋めるため、企業はより広範なIT投資よりもデータ保護に年間約6%多くの費用をかけると計画している。
クラウドがデータプラットフォームの主流になりつつある中で、67%の企業がデータ保護戦略の一環として既にクラウドサービスを利用しており、56%の企業が現在、本番環境でコンテナを実行しているか今後12か月以内に実行する予定であると回答している。
2022年中にプラットフォームの多様性が拡大し、データセンター(52%)とクラウドサーバ(48%)のバランスはさらに拮抗していくと同社は予想する。これは、2022年の企業向けのデータ保護の最重要の導入要因として、21%の企業がクラウドでホスティングするワークロードを保護する機能を挙げており、39%の企業がIaaS/SaaS機能を先進的データ保護の決定的な要素だと考えていることが背景にあるという。