米欧や日本がロシアへの経済制裁の発動を打ち出したのに合わせ、台湾の蔡英文総統はロシアによるウクライナの主権侵害を非難し、国際社会の一員として争いの平和的解決に向け協力すると表明するとともに米国などと歩調を合わせ、台湾のロシア向け半導体を中心としたハイテク産業関連製品の禁輸措置を取ることを検討していると、多数の台湾メディアが2月24日付で報じている。

また、台湾海峡の軍事動向への監視や警戒を強化するよう関係部署に指示するとともに、経済部(日本の経済産業省に相当)に対し、半導体などの輸出製品の現況を確認するよう指示。同部の調べでは、ロシアへの2021年の半導体輸出額は2164万ドルで、台湾の輸出総額の0.013%であったという。

このほかTSMCは2月23日付で、台湾政府がロシアへの輸出規制を決定した場合はその決定に従うと表明した。

韓国政府は当初(2月23日ごろまで)、対ロ制裁に慎重な姿勢を示していたが、ロシア軍のウクライナ侵攻という事態に直面し、韓国外交部(日本の外務省に相当)は2月24日、「国際社会の警告にもかかわらず、ロシアがいかなる形でも全面戦争を敢行する場合、わが政府としても対ロハイテク製品輸出規制などの制裁に参加するしかない」との姿勢を示した。

なお、半導体材料に関する調査会社である米TECHCETによると、ウクライナは米国の半導体製造に使われているネオンの90%以上を供給しており、ロシアは米国で使われるパラジウムの35%を供給しているという。米国だけではなく、台湾・韓国の半導体メーカーやリソグラフィにネオンガスが必須のASMLは、代替輸入ルートを検討しているという。