韓国産業通商資源部(日本の経済産業省に相当)は2月16日、ムン・スンウク長官(経済産業大臣に相当)主催で「半導体投資活性化懇談会」を開催したことを明らかにした。

同会にはSamsung Electronics、SK Hynix、DB Hitekなど韓国内の半導体企業や半導体素材・部品・装備(装置と付帯設備)企業の代表が参加し、産業界の課題共有とその解決策を話し合ったという。

また、韓国半導体工業会(KSIA)が、2022年の韓国半導体業界の投資総額が2021年比10%増の56兆7000億ウォン(約5兆5000億円)との見通しを明らかにし、内訳としてメモリとシステム半導体に大部分が投入されるほか、先端素材・部品・装備ならびにパッケージング分野に3兆1000億ウォン(約3000億円)が投入されることも明らかにされた。

  • 韓国半導体産業

    「半導体投資活性化懇談会」参加者らによる記念撮影。前列右から4人目が主催した韓国通商産業資源部のムン・スンウク長官 (出所:韓国通商産業資源部広報フォトニュース)

半導体は最重要な経済安保資産と明言

ムン・スンウク長官は同会にて、「半導体産業は新型コロナで景気が低迷する中でも史上最高の輸出などを達成した韓国経済の強力な支えであり、半導体企業はグローバルサプライチェーン時代におけるもっとも重要な経済安全保障資産である。韓国半導体業界は2021年にも50兆ウォン以上の投資を行ったが、2022年も56兆ウォンを超える大規模投資が計画されており、韓国国内の雇用創出とエコシステム、サプライチェーン強化に貢献することが期待され、政府も半導体業界を全面支援する」と述べたという。

またKSIA会長は席上、グローバル企業と競争して勝つためにはメモリ半導体、システム半導体、素材、部品、装備、パッケージング分野で優秀な専門人材が必要だとして、政府に果敢な半導体人材養成政策支援を求めたとされ、これに対して韓国政府も、「これまで大学の半導体専攻に定員を700人余り増やす計画を実施した。2022年からは大学に『半導体専門教育課程』を新設し、毎年1200人の専門人材養成を開始する。半導体技術の修士・博士級の人材養成のため、AI半導体、パワー半導体、先端素材・部品・装備、パッケージングの各分野別に『半導体大学院』を指定し、10年にわたり集中支援に乗り出す」と半導体の将来に向けた人材育成計画を披露したという。