仕事が終わって定時に帰るーーライフワークバランスの理想とするところだが、なかなか難しいという職場も多いだろう。定時に終えるなんてあり得ないと言わず、挑戦してみる価値はあるかもしれない。生産性が上がり、充実感も得られそうだ。Make Use Ofが「5 Tips to End Your Work Day the Right Way」として、5つのチップスを書き出している。

定時に会社を出ることはできても、仕事を持って帰っているのでは、ワークライフバランス的に理想の姿ではない。オフィスを出た後も仕事のことが頭から離れないのでは、ストレスにつながる。また、仕事を持ち帰らないまでも、その日やるべきことを明日に繰り越すと、オフィスを出て自宅に帰っても仕事のことが気がかりというのでは、やはりストレス。理想としては、就業時間内に仕事を終わらせ、会社を出たら仕事のことを考えなくて良い状態だ。残業癖がついてしまうと、そもそも定時に終わろうと思って過ごさないないようになってしまうかもしれない。本則を外れると、手続きや仕組みが煩雑になり、長年続くと様々なレイヤーでの弊害が生まれる可能性もある。まずは、就業時間内に仕事を終わらせるという意志を持つことから始めたいところだ。その上で、以下のアドバイスを試したい。

1.To-Doリストの作成と見直し
最初にやるべきことは、仕事の終わりにその日の自分のTo-Doリストを見直しをして、翌日のTo-Doリストを作成することだ。見直しをするときはまず、残ったタスク全てをマルで囲む。しかし、翌日のTo-Doリストにそれを丸写しするのではなく、期限と想定される作業時間を考慮して優先順位をつけてリストを作成しよう。

単に全てを明日に回すことは、ストレスを生んでしまう。ポイントは、現実的になって優先順位をつけること。もしやることが色々あって整理しきれないという場合は、Trelloのようなツールを使ってタスクを管理しながら優先順位に基づくTo-Doリストを作るのもいいかもしれない。抜けや漏れを防ぐことができそうだ。

2.「仕上げ時間」を取っておく
定時に終わらせるためには、終わる時間の30分間を「仕上げ時間」として残しておくとよい。思いのほか時間がかかった仕事を完成させるための時間だ。もし全てが順調で、作業が全て終わっていたとしても、やるべきことはあるはず。対応できていなかったメールへの返信、同僚へのフォローでもいいし、次の日の作業を少し着手してもいい。

3.机、デスクトップ、心を整頓
生産性を高めたい、あるいはストレスを減らしたいと思うのなら、まずは机を整理しよう。次に、PCの画面も整理しよう。物理的、視覚的に整理整頓を進めるうちに、心がスッキリしていくはずだ。

記事では、仕事が終わったらPCで開いているタブを閉じる(重要なものはタブグループなどで保存)、業務で使うPC、タブレット、スマートフォンなどの端末をシャットダウンする、机を片付けるようアドバイスしている。さらには、仕事関連のものについては通知オフにすれば、完全に仕事から離れることができそうだ。このように、仕事の終わりにつながる作業をすることで、心の中でも仕事モードを終わらせよう。

4.居心地の良い場所を見つける
サードプレイス(third place)という言葉をご存知だろうか。自宅でも職場でもない、3番目の場所だ。自宅と職場の間を埋めてくれる居心地の良い場所を見つけておくことが、ワークライフバランスのポイントだという。

ピークパフォーマンスについて研究しているAdam Fraser博士は、効率よく働くモードとリラックスして穏やかなモードとの切り替えにおいて、1日を振り返って何がうまくいき、何を達成できたのか、どうやってうまくいったのかを考えること、深呼吸をすること、そして自宅の前に立った時に何をするかを考えることを薦めている。

通勤に電車などの乗り物を使う人は、そこがサードプレイスになるかもしれない。電車に乗らないのであれば、公園やカフェなど、ここという場所を探してはいかがだろう。ほんのちょっとのことで、気持ちが豊かになるかもしれない。

5.ポジティブな気持ちで1日を終える
どんな1日であれ、前向きに1日の仕事を終えよう。仕事の終わりを実感できるはずだ。

"日本は生産性が低い"とよく耳にするが、労働生産性を議論する場合には、おおよそ成果を労働時間で割る。その意味においては、"定時に仕事を終えて帰る方法"を身につけるというのは、生産性を高める行為であるとも言えるかもしれない。分母が小さくなるからだ。1.の"To-Doリストの作成と見直し"などは、そのまま効率を高める手法だが、1日の"始まり"と"終わり"を明確に意識するにも効果的なのだ。そんな課題に着目しているのか、WebサービスのGmailとOutlookにはある機能が実装されていた。メールからToDOを作成する機能だ。

Gmailの場合、メールを選択して[ToDoリストに追加]をクリック、Microsoft 365のOutlookの場合はMicrosoft To DOの設定から[フラグを設定したメール]をオンにしておき、メールの旗印のフラグをクリックするとMicrosoft ToDOの[フラグを設定したメール]に設定したメールのタイトルが設置される。

  • Gmailの場合、メールを右クリックして[ToDoリストに追加]すると、

  • ToDoリストに追加される

  • Outlookの場合、Microsoft To DOの設定から[フラグを設定したメール]をオンにしておくと、フラグのついたメールがMicrosoft To DOから開けるようになる

見落としていたのだろうか。これらの機能を使ったことはなかったのだが、試してみて有益な機能であることがすぐにわかった。従来、これらのWebメーラーにはスターやフラグなど重要度を設定する機能はあった。しかし、"重要である"にも色々あるのだ。貴重な情報であるとか、考えておく必要があるとか、返信する必要があるとか・・・これらは、メールの飽和によって脆くも崩れてしまう。

おおよそ2秒に1件で届いているメール。これは課題なのかもしれない

こういった課題に対応できそうなのがToDO連携機能。"ToDO"(やること)という具体的なリストをメールから作り出せる。しかも、別画面が与えられるという格別な待遇である。いわば、最上位の重要度をメーラーに装備する機能なのである。GmailとOutlook共にToDOリストからメール本体を直接開くことができるので、返事を書いたり転送したり、ということも難なくこなせる。午前中にメールで最重要フラグである"ToDO"を設定し、タスクを処理して行く。そしてその日の仕事が落ち着いたころにToDOリストをチェックする。スッキリとタスクの完了/不完了を確認して、帰宅できるというわけだ。

シンプルだが大量のメール処理に困っている人にとっては、非常に効果的な機能。試してみたが、多い時には分間30件のメールが届く筆者の環境では、有益極まりなかった。分間30件とは計算すると2秒に1件ということになるが、こういった環境では特にオススメの機能と言えるだろう。