韓国の中堅財閥であるハンファ(Hanwha)グループが2つのシステム半導体設計会社を相次いで創業し、ひそかに半導体事業進出に拍車をかけていると、複数の韓国メディアが報じている。

それらによると、ハンファグループ系列会社ハンファインファクトは、社内に新しいシステム半導体企業「ニューブラ(Neubla)」を設立したという。ニューブラは、ハンファインファクトが作ったニューラルネットワーク・プロセッシング・ユニット(NPU)タスクフォース(TF)チームによって設立されたことが確認されているが、グループからの発表は行われておらず、事業の詳細は現段階では開示しないとしている。今後、NPUを直接設計したり、チップデザインに活用されるIPを作る事業を構築するのではないかと韓国の半導体業界関係者は見ている。

また、ハンファグループはシステム半導体設計部門の核心人材獲得も進め、Samsung Electronicsのユン・ジョンヒ常務をハンファインファクトのTFチーム長に迎え入れ、ウ・ジョンホLG電子常務(Qualcomm出身)をもう1つの子会社であるハンファテクウィンに迎え入れたともしている。現在、ウ氏は、ハンファテクウィンが新たに設立したシステム半導体設計会社である「ビジョンネクスト(VisionNext)」の代表を務めている。

すでに韓国では、通信キャリア大手のSKTelecomがAIチップ設計会社Sapeonを分離独立させて半導体ビジネスに参入しており、ライバルの通信キャリアであるKTもAIチップ開発に乗り出している。韓国政府のシステム半導体強化戦略に後押しされて、韓国内に半導体設計会社が続々誕生していることは注目すべきだろう。