新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、パーソルプロセス&テクノロジー、KDDIは2月24日、「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト/地域特性・拡張性を考慮した運航管理システムの実証事業」において、同事業の成果をまとめた報告書「運航管理システムを使ったドローン運航ビジネスの姿」および「災害時におけるドローン活用ガイドライン」を発表した。
同報告書は、これまで実証実験で得られた成果をもとにして、ドローン運航ビジネスモデルのあり方と災害時の運用方法について提言をまとめたものだ。
3者は、同報告書を活用することで、サービス提供者はドローンビジネスにおける収益化や持続可能なサービスの実現が可能になるとしている。また、ドローンサービスを利用する企業および自治体も、既存ビジネスや地域課題、災害対策にドローンを有効活用できるようになるという。
「運航管理システムを使ったドローン運航ビジネスの姿」では、運航管理システムを活用することで、レベル4環境下での実現が期待されるドローンビジネスの可能性を示している。多くの企業や自治体が、今後の環境変化を見据えて、ドローン活用の推進につなげることを想定しているという。
衝突リスクの軽減や各種申請の簡素化、飛行に必要な情報提供などの機能を備える運航管理システムは、ビジネスの拡大やオペレーションの効率化、より安全な運航の実現に寄与できるという。
一方、「災害時におけるドローン活用ガイドライン」では、3者の事業を通して明らかになった災害発生時のドローン活用のメリットなどをまとめ、災害現場でドローンを活用する上で考慮すべき手順や事前に準備すべき事項などについて整理している。
なお、災害発生時におけるドローン活用では、防災関係機関やドローンに関係する民間企業などの協力が必要となるため、自治体職員だけでなく各組織の関係者も利用者として想定しているとのことだ。
ドローンを巡っては、安全確保や利用促進、技術開発などさまざまな視点から官民共同で議論が行われている。政府が設立した「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」は、2020年7月に「空の産業革命に向けたロードマップ2020」を策定し、2022年度を目途にレベル4(有人地帯における補助者なし目視外飛行)を実現する方針を定めた。
そうした中、ドローン関連の業界ではレベル4環境下でドローンを運航するために必要な環境整備と技術開発が進められており、特に警備やインフラ点検、エネルギーの効率化が求められる物流などの分野では、ドローンを活用して省エネルギー化を実現する効果が期待されている。
3者はこれらの取り組みを通じて、ドローン関連業界の課題解決に向けたルール作りに貢献するとともに、レベル4環境下でドローンが安全に飛び交う社会の実現に寄与するとしている。