三菱重工業は、同社が運営する三菱みなとみらい技術館で、オンライントークイベント「SF思考で考える-核融合エネルギーが実現する未来社会とは-」を2022年1月27日に開催した。
次世代のエネルギー源として注目される「核融合エネルギー」。
核融合エネルギーの実証を目的に、核融合炉を実現しようという国際プロジェクト「ITER(イーター)」が進行中だ。
ITERは、日本を含む7極(日本、欧州、アメリカ、ロシア、中国、韓国、インド)が参画しており、各国が機器や設備の調達を分担して担当している。日本が調達する機器は複数社が製作を担っているが、三菱重工はその中の1社である。
トークイベントに参加したのは、ITER計画を牽引するITER日本国内機関長の杉本誠氏、ITER機構首席戦略官の大前敬祥氏、「SF思考-ビジネスと自分の未来を考えるスキル」の編著者である三菱総合研究所シニアプロデューサーの藤本敦也氏、SF作家の野尻抱介氏、モデレーターとして三菱総合研究所参与の関根秀真氏の5名。
トークイベントタイトルにある“SF思考”とは、三菱総合研究所シニアプロデューサーの藤本敦也氏によると「“ワクワクする未来”を自ら描くために、未来について考え続けてきたSF作家、SF編集者、SF読者の思考法を一般化したもの」だという。
藤本氏は、多様性のあるチームでのワークショップを通じ、フィクションを共創することで、実現したい未来像をまとめていくという方法を提案している。未来像を物語として表現することで感情移入しながら主体的に議論ができるのが特徴だという。
藤本氏によれば、、自分のキャリアの検討や事業、サービスの検討、次世代が未来を考えるきっかけにSF思考が活用できるという。
同トークイベントでは、そのSF思考を用い、”もし核融合エネルギーが実現したら農業や住居がどう変わっていくのか?”や“核融合エネルギーが実現した社会で生きる人々や仕事はどうなるのか?”といった視点を通じ、「核融合エネルギーが実現したらどんなことができるようになるのか」「実現への課題」について議論した。
1時間半以上にのぼる本編に加えて、時間内に回答しきれなかった視聴者からの質問に答える番外編が三菱みなとみらい技術館のYoutubeチャンネルでアーカイブとして公開されている。なお、動画の公開は2023年2月12日までの予定だ。