NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2月21日、東京理科大学理工学部土木工学科水理研究室(水理研)の協力のもとで、水害ハイリスク地域の防災および減災の実現に向けた市民参加型の「デジタル防災訓練」を用いた実証実験を4月から開始すると発表した。
今回の実証実験は、国や自治体が指定する水害ハイリスク地域をデジタルツインで再現し、発災前後のシチュエーションを市民がアバターとして体験しながら自身の行動をシミュレートするものだ。これにより、避難行動の可視化や防災意識の向上、安全に避難できる施策の検討を行う。また、デジタルツインの構築における技術課題の抽出を行う予定だ。
同実証実験は、国が提供するオープンな都市空間データや独自のデータに基づいて店舗や看板などを3D CGでリアルに再現した、デジタルツイン上の街で実施するという。市民はデジタルツインで再現した街にアバターとして参加し、水害が起きる前後の行動をシミュレートする。また、行動データの分析をNTT Comが実施する予定だ。
これにより、市民の避難行動および災害発生時のリスク箇所の可視化、「デジタル防災訓練」参加前後の水害に対する防災意識の情報収集、安全に避難できる施策の検討などを行うという。「デジタル防災訓練」は複数回実施し、課題の抽出と改善を繰り返し行うことで精度の向上を図る。
同社は今回の実証実験で収集したデータを活用して、企業や行政などへの防災・減災へ向けた提言を行う予定だ。また、企業や行政といった共創パートナーらと共に新規サービスの開発検討を進める。