富士経済は2月18日、製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する世界市場(デジタルファクトリー関連市場)に関する調査結果を公表した。同社は設計・販売・計画システム・ソリューションや関連サービスなどの伸びが市場の拡大をけん引することで、市場規模が2025年には6兆6393億円に拡大する(2020年比で55.0%増)と予想した。

  • デジタルファクトリー関連の世界市場

同調査では、設計・販売・計画システム・ソリューション10品目、生産現場システム・ソリューション7品目、PA(Process Automation)システム・ソリューション7品目、ネットワーク・セキュリティ6品目、関連サービス(Service)5品目の市場の現状を調査し、将来を予想したものだ。調査結果は、同社の「2021年版 DIGITAL FACTORY関連市場の実態と将来展望」にまとめられている。

同社が注目するのが、PDM(Product Data Management)/PLM(Product Lifecycle Management)市場だ。

新型コロナ流行を契機としたDX化ニーズの高まりを背景に、市場は拡大しているという。レガシーシステムからの刷新やクラウドへの移行、テレワークへの対応、設計情報に関するデータベースの整理、バーチャルでの検証や試作レスなど、製造業におけるデジタル化へのユーザー意識の向上が需要増加を後押しし、今後もデジタル化の進展に向けた設備投資の増加を受け、幅広いエリアや業種で採用拡大が期待される。

同社は分野別の採用傾向も分析している。電機・電子関連分野において、テレワークの増加に伴うノートPCやタブレット端末の好調を受け、半導体や電子部品、家電関連で需要が増えている。自動車分野ではグローバル連携や複数拠点連携を目的に安定した需要がみられる。また、医療機器や医薬品などのライフサイエンス分野は新型コロナ流行に伴い、採用が増えている。エネルギー分野では、設備データや部品交換時などの部品管理を一元化する目的で需要が徐々に増加している。

なお、PDMは、設計・開発段階でのCADデータなどの製品データに関するドキュメントファイルを一元管理する情報管理システム、PLMは設計・開発段階に限らず、製品企画からアフターサポートまでの製品ライフサイクルを関連づけながら、設計情報や人員情報などの情報を一元管理し、業務に応じた情報を提供するシステムを対象とする。