AIベンチャー企業のHACARUS(ハカルス)は、動物用医薬品メーカーのDSファーマアニマルヘルスと犬の心電図検査において、電極シートの上に立たせたまま足の裏の肉球を通して測定し、AIがデータを解析するサービスを2月18日より開始したと発表した。
心臓病はがんに次いで犬の死因の第2位を占め、心臓病の早期発見などを目的に心電図検査が行われてきた。
これまでの心電図検査は、横向きに寝かせ、クリップで挟むなど、犬がストレスを感じることが課題だったが、従来のようなストレスを感じさせず、約1分間で立ったまま測定できるのが同サービスの特徴だとしている。
同サービスでは、犬を特殊な電極シートの上に立たせ、心臓が全身に血液を送り出すときに発生する電気のデータを肉球から取得。シートは1枚縦50センチ、横60センチで、ボタンを押すと約30秒間で測定を完了するという。
測定したデータは、AIが約30秒間で解析・判定を行い、心電波形の異常の程度に応じて、4つのグループに分類した結果をレポートに表示する。AIは、成書だけでなく、日本獣医循環器学会の獣医循環器認定医が診断した「健康な犬」と「心疾患の犬」の心電波形を学習しているという。
解析結果は、DSファーマアニマルヘルスが運営する獣医師向け、獣医療支援プラットフォームサービス「あにさぽ」のWebページで閲覧が可能で、心電計の扱いについて特別な技術が必要ではないため、動物病院が導入しやすいのも特徴の1つだとしている。
両社は今後、犬だけでなく他の動物も視野に入れ、広範囲にわたる健康関連サービスを支援するプラットフォームへと拡張していく方針だという。