日本電信電話(NTT)グループは2月17日、シンガポールのDBS Bank(DBS銀行)と共に無人店舗のスマート化に向けた協業を開始したと発表した。両社は銀行の無人店舗における新型コロナウイルス感染症対策の一環として、NTTグループのスマートソリューションの導入および運用を開始している。
NTTグループは今回の協業を通じて、映像解析技術やAI(Artificial Intelligence:人工知能)ロボットを活用した感染症対策、カスタマーエクスペリエンスの向上、感染症対策規則の遵守および店舗の業務効率化の実現を目指す。
両社の今回のプロジェクトは、シンガポール市内のDBS銀行の24時間営業の無人店舗を対象にスマートソリューションを導入し試行運用するものだ。具体的には、店舗内に設置するセンサーやカメラから得られるデータをもとに、検温、ソーシャルディスタンスの確保、マスク着用チェック、混雑状況の解析を実施する。
その結果に基づいて、店舗内に設置するAIアシスタントロボットは、マスク未着用者へのアラートや混雑時の密回避アナウンスといった店舗内での感染症対策業務を実施する。また、不審者や不審物の検知なども行い、無人店舗においても有人店舗と同等の感染症対策を徹底しつつ、24時間365日安心して来店できる環境を実現するとのことだ。
解析や検知の結果はクラウド上のダッシュボードで可視化するため、Webからいつでもアクセス可能となる。DBS銀行の中央管理センターで店舗状況を一元管理可能になるため、店舗運営の改善も見込めるという。
同社は今後、プロジェクトの成果検証を通じてこの分野におけるソリューションの展開を検討する予定だ。