Mozillaは2月15日(米国時間)、「Version 100 in Chrome and Firefox - Mozilla Hacks - the Web developer blog」において、まもなくバージョン100に到達するGoogle ChromeとFirefoxに問題を引き起こす危険性があることを伝えた。Webブラウザのバージョンを識別してビジネスロジックを実行することに依存しているWebサイトなどで不具合が発生するリスクが指摘されている。
バージョン100に到達するスケジュールは次のとおり。
Webブラウザ | バージョン100リリース予定日 |
---|---|
Chrome | 2022年03月29日 |
Firefox | 2022年05月03日 |
WebブラウザはWebサーバに対して自身の名前やバージョンなどをUser-Agent (UA) HTTPヘッダにおいて送信している。ChromeやFirefoxがバージョン100になった場合、いくつかのシステムでこのヘッダ解析に伴う不具合が発生する可能性があるという。
不具合発生の予測は、12年ほど前にWebブラウザがバージョン10となりバージョン番号桁数が1桁から2桁へ移行した際に不具合が発生した経験に基づいたものだ。当時、User-Agentの解析ライブラリに多くの問題が発見されたという。ただし、そのタイミングでUser-Agent解析ライブラリの多くは改良されたため、3桁になっても発生する問題は少ないのではないかとの指摘も行われている。
不具合が発生した場合も考慮し、ChromeにもFirefoxにも緩和策が用意されている。不具合の発生が多い場合は、送信するメジャーバージョンを99で一時的に凍結することができるとされている。Webブラウザベンダーはバージョン100へ到達する前に、ユーザーに対して開発版などで動作テストを行うことを呼びかけている。