神戸大学大学院医学研究科(神戸大学)とエヌ・ティ・ティ・スマートコネクト(NTTスマートコネクト)は2月17日、パソコンの作業ログなどのデータを用いたVDT症候群の予測や予防に関する共同研究契約を締結したことを発表した。
VDT症候群とはパソコン、スマートフォン、タブレットなどのVDT(Visual Display Terminals)機器の長時間使用に起因する目や筋骨格系、精神症状を伴う症候群を指す。あらゆる業務のIT化が進む中でVDT機器の利用が増加しており、これに伴ってVDT症候群の罹患リスクも高まる傾向にある。
そこで両者は、パソコン作業ログから業務状況をレポート化するNTTスマートコネクトの「wakucone」から取得できるログや、ウェアラブルセンサーからの取得データなどのデジタルデータを用いた、作業状況の客観的かつ定量的な把握を目指す共同研究を実施する
取得した作業状況とVDT健康診断の結果の関係性を明らかにすることで、VDT症候群の予防法の確立にもつなげる狙いがあるという。また、予防法を見出すとともに、「wakucone」と組み合わせることによって、予防に値する基準やVDT症候群の高リスク状態を可視化し、通知できる仕組みも検討する。
これによって、各事業者はあらかじめ適切な作業管理を行うことが可能となるだけでなく、VDT症候群の高リスク状態を検出した時点で早期に適切な措置を取ることができるようになると期待できる。
さらに、各検診事業所や産業医は問診によらない客観的な受診者の作業状況を把握した上で、詳細な診断を行うことが可能になる。