日立製作所の子会社である日立エナジーは2月17日、産業・社会インフラ分野向けの無線通信ルータ「Tropos TRO600 シリーズ」に5G通信技術を搭載し販売を開始したと発表した。

同シリーズは、2G、3G、4G LTE通信技術と、通信の一部が不通となった場合に自動的に別の経路に迂回させる機能を備えた、アクセスポイント同士を相互通信で結ぶ「自己回復型ブロードバンドメッシュ技術」、920MHz周辺の電波を用いた「サブギガヘルツ技術」を搭載した無線通信ルータで、すべてのデバイスへの通信を統一する。

今回の5G通信技術の搭載により、超高スループットの仮想・拡張現実や映像アプリケーションの使用、自動運転車に適した無線通信環境を実現する。またパブリックおよびプライベートセルラーとブロードバンドメッシュを単一の通信ネットワーク上で組み合わせることで、特定の接続が利用できない場合や妨害される場合でも、シームレスな産業用通信を確保するとしている。

日立エナジーのグリッドオートメーションビジネスユニット担当副社長であるマッシモ・ダニエリ氏は「5Gはエネルギーシステムの分散化ならびに脱炭素化、エネルギー転換の推進に不可欠な技術だ。5Gによって企業はデータドリブンなアプローチをさらに拡大し、エネルギー需要を効率的に管理し、送電網への負荷を調整することができる」とコメントしている。