アンダーワークスは2月16日、企業による顧客データ管理の取り組み実態や、顧客データ活用の動向に関する調査をまとめた「マーケティングデータ活用実態調査2022年版」を公開した。同調査は、東京証券取引所に上場している企業を対象にしたもので、2021年に続いて2回目となる今回の調査では309社が調査に回答している。
企業によるデータマネジメントへの取り組みは二極化しているとアンダーワークスは分析する。マーケティングデータの活用・管理の取り組みを聞いた設問では、「今年一年以内に取り組む予定である」という回答が減った一方で、「取り組んでいる」と「未定・予定なし」という回答が増えたからだ。
業種別では、「通信サービス」「運輸/エネルギー」「金融/証券/保険」においてデータマネジメントへの取り組みが進んだ一方、「商社」「流通/小売」「その他のサービス業」においては取り組みの遅れが伺えるという。
マーケティングデータの管理・利活用の成熟度を聞いた設問では、統合基盤に多くのデータを「統合済み」と回答した企業は24.2%だった(昨年の調査と比べて1.5倍)。また、統合に留まらず「分析利用」のステージにある企業は12.6%だった(昨年の調査と比べて1.8倍に増加)。一方で、データの部分的なデータの連携のみを実行しており、多くのデータは統合されていないステージの企業は50.8%と半数を占めている。
「データ活用の取り組みで期待したい成果は?」の設問では、「営業活動とマーケティングデータの連携(セールスイネーブルメントやABMなど)」に主眼を置く企業が43.7%と最も多く、「PDCAサイクル実現」(39.8%)、「Webサイトのコンテンツ強化(コンテンツマーケティング)」(37.5%)と続いた。
データ統合基盤システムへの投資について、年間の想定予算を聞いた設問では、「100万円以上、1,000万円未満」と回答した企業が最も多く(36.9%)、「年間5,000万円以上」が昨年の調査時と比べて若干増加(2.6%→2.9%)した一方で、「分からない」と回答する企業も増加(25.4%→28.8%)している。
同じ設問について、年商2000億円以上の企業と、データ管理・利活用の成熟度ステージ3(多くのデータを統合済みの企業)以上の企業に絞った分析結果も出ている。同分析では企業規模が大きくなるほど想定予算も高くなる傾向があるものの、データ活用の成熟度が高いほど想定予算が高くなる傾向は見られなかったことから、アンダーワークスはデータ活用への大きな予算確保が、必ずしもデータ統合の前提になるわけではないと分析する。
データ活用・管理に取り組む際の課題については、「様々なテクノロジーに対する専門知識や人材不足」(43.7%)が最も多く、昨年、回答者数がトップだった「組織間の連携や部門間調整」を上回った。
データの成熟度ステージ別に見ると、データの成熟度が低い企業(ステージ2以下)は「戦略立案や中長期的なロードマップの策定」「取り組みへの予算確保」「統合するデータの欠如・少なさ」「散在する様々なテクノロジー/データの現状把握」の回答が、データの成熟度が高い企業より多かった。