日本最大の半導体製造装置メーカーである東京エレクトロン(TEL)が発表した2022年3月期(2022年度)第3四半期(2021年10~12月期)の決算概況によると、売上高は前年同期比74%増の5064億円、営業利益は同2.5倍の1560億円となり、ともに過去最高を更新したという。

また、同四半期の半導体製造装置部門のアプリケーション別売上高比率は、ロジック50%、DRAM31%、NAND19%となっており、第4四半期(2022年1~3月期)についてはロジックが60%まで増加するとみている。また国・地域別売上高比率については、中国が27%でトップ。次いで、韓国19%、台湾18%、北米16%、日本13%となっている。

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    TEL半導体製造装置部門のアプリケーション別売上高比率の推移 (出所:TEL決算発表資料)

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    TEL半導体製造装置部門の国・地域別売上高推移 (出所:TEL決算発表資料)

同社は好調な業績を踏まえ、2022年3月期の通年売上高を前回計画から500億円上方修正し、前年比39%増の1兆9500億円、営業利益は同190億円上方修正の同78%増の5700億円へとそれぞれ修正している。

2022年も強い需要を予測

同社は2022年(暦年)の前工程製造装置需要について、データセンター投資のさらなる加速など、社会のデジタルシフトの進展による先端から成熟にかけた幅広い世代のロジックやメモリ需要の拡がりを背景に、引き続き市場の拡大が続くとの見通しから、前年比2割近い成長ポテンシャルを見込むとしている。

また、半導体アプリケーション別では、ロジック/ファウンドリが情報通信技術の推進に伴うアプリケーションの拡大により、積極的な投資が継続することから、前年比20%強の増加が予想され、市場成長のけん引役となると見ているほか、DRAMも、5Gの普及やデータセンター需要の増加、DDR5の進展により、高水準の投資が見込まれることから、前年比15%程度の増加と予測している。NANDを中心とする不揮発性メモリについては、SSDの採用の進捗と搭載容量の増加による堅調な投資がなされるとの見方から前年比5%程度の増加を見込んでいる。

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    2022年、TELの成長をけん引する半導体分野のイメージ (出所:TEL決算発表資料)

なお同社はFPD製造装置も手掛けており、こちらは総売上高の3%を占める。こちらの2022年(暦年)の業績については、車載など新たなアプリケーションやモバイルの新技術採用に伴う投資が増加するほか、液晶から有機ELへの移行が小型パネルに加え、今後は大型パネルでも進むことが期待されることから前年比微増を見込むとしている。