ANAホールディングス(ANAHD)は2月15日、米Joby Aviation(ジョビー・アビエーション)と、電動垂直離着陸機「eVTOL(イーブイトール)」を活用した運航事業の共同検討に関する覚書を結んだことを発表した。同覚書にはトヨタ自動車も参加している。
「空飛ぶクルマ」とも称されるeVTOLは、電動モーターで複数の回転翼を回転させ、垂直離着陸できる小型航空機を指す。ANAHDでは、この空飛ぶクルマを活用した都市型航空交通の実現を目指し、その第一歩として 2025年大阪・関西万博を起点とした関西圏での運航の実現を目標としている。
Jobyが開発を進めるeVTOLは、電動で低騒音かつ排気ガスがゼロであると同時に、最大航行距離約270キロメートル超、最高速度約320キロメートル毎時で航行可能な5人乗り仕様。現在は自動車で約1時間かかる関西国際空港から大阪駅までの所要時間を15分以内に短縮できるという。また同社は2024年には米国でエアモビリティサービスの提供を開始する予定。
今回のパートナーシップに基づき2社は、国内大都市圏を中心とした移動サービスの実現に向けて事業性調査、旅客輸送サービス実現に向けた運航・パイロット訓練、航空交通管理、離着陸ポートなど地上インフラ整備、関係各社および国・自治体と新たな制度・法規への対応など、さまざまな側面で共同で検討を実施する。
また、地上交通との連携では、トヨタ自動車も参加し検討を実施する。また3社は、経済産業省と国土交通省が空飛ぶクルマの実現に向けて設立した「空の移動革命に向けた官民協議会」のメンバーでもあり、同協議会が推進するプロジェクトの議論にも、共に参加していくとのことだ。